釣り-情報- 青物

【考察】南紀串本の青物事情について考えてみる【ショアジギング・ロックショア】*

関西・東海在住のショアジギンガーなら一度はインターネットで検索した事があるであろう本州最南端『串本』。その立地と岬の形状から行けば間違いなく大物が釣れる!と思ってしまいますが、現実はなかなか難しいものがあります。

勿論、海は年中暖かく熱帯魚やサンゴが見られ、明らかに他の海とは一線を画す雰囲気を出しています。アジは簡単に釣れるし、アオリイカも一年中釣れる。餌釣りをすれば、たまに訳の分からない大物に糸をぶち切られたなんて話は珍しくない。

しかし、ことショアジギングに関してはあまりいい話を聞かない。ネットでの情報はおろか、現地に行って釣り場で話を聞いても、「昔はヒラマサがようけ釣れたけど、最近は全然聞かんなぁ。」とかそんな話ばかり。勿論単発的には釣れているのだろうけど、ここ最近は『好調』とは無縁の状態が続いているように感じます。

串本の青物事情

串本のショアからの釣り場は大きく3つ分けられると思います。

・潮岬エリア

・紀伊大島エリア

・田子や和深エリア

田子や和深エリアは白浜などの南紀エリアの延長線上のような認識なので、今回は紀伊大島と潮岬に的を絞って考えていきます。

まず初めに僕は、それほどガチガチのショアジギンガーではありません。「ボウズ上等!魚が釣れれば九州でも四国でも行ってやらぁ!!」という方々がいらっしゃいますが、もしお近くにそのような方がいるのであれば、その方の話の方がよっぽどタメになると思います。

そんな初心者に毛の生えたような僕ですが、過去に何度も潮岬・紀伊大島では釣りをしています。ですが正直釣果には恵まれず、悩んでいます。過去に釣り上げた大物はせいぜいシイラのみ。あとは50cmにも満たないツバスが数匹です。つい先日も秋の最盛期にもろにボウズを食らってきました。

ここまで貧果が続くと、「そもそも青物が串本周辺に回っていないのではないか?」という考えになってきます。そういう時リアルタイムでの釣果情報は周辺の釣具店の情報か渡船屋さんのサイト、それかインスタグラムです。

ですが串本の場合、近くの釣具店でHPを持っているお店はないし、インスタグラムでの釣果情報も僻地なので期待できません。となると渡船屋の情報のみ。僕が釣行した日にちが11月13日でその時の渡船屋さんのサイトを覗くと、しっかりとメジロが釣れている。というかほぼ毎日、かなりの数と大きさの青物が釣れている。時期としては9月~11月が良いようです。

釣れている場所は浦見湾と浅海(せんかい)という場所。浦見湾は紀伊大島と通夜島という島で囲まれた湾になります。ここでは『カセ釣り』という冷凍イワシを餌にしたボートでの釣りが盛ん行われています。串本ではマグロの養殖が盛んなので、その養殖生け簀周辺でマグロの餌と同じ餌を使い、生け簀に付いた魚を狙うという釣り方ですね。

この釣りでの釣果がすさまじく一度『串本 カセ釣り』で検索してもらうと分かりますが、色々な釣り船屋のサイトで羨ましい釣果を見ることができます。(メジロ80cm 10本とか)

ただしこの釣りで釣れた青物は生け簀周辺で釣れた魚なので、これらの魚が普段串本周辺を回遊していて、ルアーにも反応するのかは定かではありません。ですが、少なくとも「串本には青物がいる」という安心感は得ることができます(笑)

紀伊大島エリア

僕が紀伊大島エリアで釣りをするポイントは基本的に2つ。

・須江崎

・樫野埼

の2か所です。特に須江崎 はお気に入りでよく行きますが、先述の通り自慢できるような釣果は上げていません。ここで釣れた魚は以下の通り。

・シイラ

・カンパチ

・ハマチ

・ダツ

・スマガツオ

です。僕がここを気に入っている理由は、地形がワンド状になっており、魚が溜まりやすいと考えているからです。特に荒れた日なんかはサラシがいたる所に出ますので、魚からすれば絶好の狩場になると思います。

南紀でヒラマサが釣れる!との情報がありますが、出るならここだろうと考えています。

須江崎

串本エリア

僕が串本エリアで釣りをする場所は1つだけ。勿論『クレ崎』です。正真正銘の本州最南端の場所であり、潮通しは抜群。関西・東海在住のショアジギンガーのみならず、釣り人なら一度は訪れてみたいと思う場所ではないでしょうか。

陸地から南に延びた磯は否応なく大物を期待させます。

その期待に応えるかのように、実績としてはキハダマグロ・ヒラマサ・カンパチ・ブリ・GT・シマアジ・シイラetcと陸のみでなく船で狙うような魚も釣れる夢のようなポイントです。

そしてそんな大物を夢見て僕も足しげく通っているのですが、ここで釣り上げた魚はシイラとソーダガツオ・アカヤガラ・ツバス・シオととても自慢できるような魚ではありません。

話ではよく大物を耳にするのですが、ヒットさせた事も釣り上げたところも見たことがありません。

出典:釣り太郎のおススメ釣り場地図

クレ崎の磯は大きく2つにポイントに分けられていて、一番先端が『トバナ』という場所、そして少し下がって逆側の『赤崎』。一見するとトバナの方が良さそうに感じられますが、実はそうでもなく、ベイトが溜まりやすいのは恐らく赤崎。赤崎の先端から陸側の磯まで距離が意外と近く、またワンド状になっている為、青物がベイトを追い込みやすい地形をしています。またとあるラインから急に水深が浅くなっています。そうした理由もあり、波っ気がある日はこちらの方に分がありそうです。

赤崎先端から東方向を覗く

反対に最南端のトバナは足元からドン深地形で、常に良い潮目ができており、やる気にさせてくれます。底は砂地らしく、実際ジグを投げてもほとんど根掛かりません。先端から西方向に100m程先に大きいシモリが入っているらしく、その周辺に魚が付いているとの話を聞きました。

一度ジグを投げていて、ボトムで何かが食いつきダンプカーのようなゆっくりとした重量感のある引きでラインを出されていき、切られた事があります。

話ではキハダが掛かる、昔は大型ヒラマサがいっぱい釣れた、などよだれが出そうな話を聞きますが、可能性としては本州最南端を持ってしてもかなり低そうです。

トバナの釣り場
目の前には何もない絶景が広がり、時折ウミガメが顔を見せます。

黒潮の影響

先述した通り、大型ヒラマサは過去の栄光になりつつある串本ですが、理由の1つとしては黒潮の大蛇行が考えられます。色々な方から話を聞くところ、やはり黒潮が接岸しているときにキハダやヒラマサといった大型青物も接岸するようです。

有名な話ではありますが、現在黒潮は『黒潮大蛇行』と呼ばれる状態に入っており、室戸岬沖から潮岬を避けるような蛇行し、伊豆あたりでまた接岸するといった状況にあります。

出典:黒潮親潮ウォッチ

開始 終了 期間
1975年8月 1980年3月 4年8か月
1981年11月 1984年5月 2年7か月
1986年12月 1988年7月 1年8か月
1989年12月 1990年12月 1年1か月
2004年7月 2005年8月 1年2か月
2017年8月

この黒潮大蛇行は度々起こっており、2019年11月現在で2年3カ月と過去3番目の長さになっています。

黒潮の当たっている、九州・高知・千葉ではヒラマサを始めとする大型青物が好調に釣れている事から、やはり黒潮の蛇行は無視できない問題のようです。

結論

だらだらと書きたい事を書いてまとまりのない記事になってしまいました(笑)

ですがまとめると、ヒラマサやキハダといった大型青物は黒潮大蛇行が終わるまであまり期待できないけど、ブリ族はコンスタントに釣れている(※カセ釣りで)ので、回遊はしている。ただしルアーに反応するかは定かではないといったところです。

この記事にたどり着いた方なら、既にネットで串本エリアの釣果情報は検索してきたはずだと思いますが、正直それほど有力な情報は得られなかったと思います。それはこの場所を訪れるショアジギンガーは本気の方が多く、そのような方々はあまり情報を出さない、といった事もあるかと思いますが、それと同時にこの場所の青物釣りの難易度も示しているように感じます。

僕は大型青物も狙っていますが、それは「釣れたらいいなー」程度。50~60cmのハマチでも釣れたら十分嬉しいですし、そのようなサイズが釣れる釣りをしています。ただ串本エリアでそのサイズを狙うのは少しずれているような気がしてきました。そのサイズの青物で良ければ、おそらくもう少し北の周参見や白浜、中紀、紀東エリアの方が釣れる事でしょう。

串本まで来るのであれば、ボウズ当たり前で80cm以上の大型青物を狙うのが正しい選択なのかもしれません。

この記事を書いたのは、串本でボウズばかり食らっている僕が、この地に初めてショアジギングに来る方に少しでも役に立てばと思い、書きました。そして少しでもこの記事が役に立ち、釣果に繋がったのであれば、それをコメントで教えていただけると幸いです。         

                    byひだまり

 

▼潮岬でのショアジギング記事

【最盛期】和歌山県串本・石川県能登半島の海で大型青物を狙う【ショアジギング】

台風19号が去ってから数日後、まだ若干のうねりが残る中、串本は潮岬の地磯へ釣りに行きました。狙いはこれといってないけど、台風後の荒喰いを目論 ...

続きを見る

© 2024 毎日釣り日和* Powered by AFFINGER5