春は一年の中で最も釣りが賑わう時期。
個人的にそう思います。
渓流魚が解禁し、アオリイカは大型が狙え、メバルやアジのライトゲームも楽しい。
そんな中でも和歌山県や三重県の春の中南紀エリアのサーフは、稚鮎をメインに様々な稚魚の回遊によって青物やヒラメ、シーバスといったルアー釣りの3大ターゲットが最も釣りやすくなる季節だと感じています。
今回はそんな春の中南紀エリアのサーフ攻略法を、僕の経験を踏まえて解説していきたいと思います。
春のサーフのベイトは...?
春のサーフには様々なベイトがいます。
確認できたものでは『稚鮎』『ハク』『鯖の稚魚』『イワシ』『しらす』などなど。
ただこれら多くの小さな魚が活発的に動き出すことから、同時にフィッシュイーターの活性も上がるのです。
春のサーフにはこれら様々なベイトがいます。
これら小さなベイトを捕食している魚たちに、どう口を使わせるかが釣果を上げるポイントとなってきます。
ベイトが溜まりやすいサーフの特徴
ではサーフならどこでも良いのかと言えば、そうではありません。
ベイトが溜まりやすいサーフ、そうでないサーフがあります。
ベイトが溜まりやすいサーフの特徴は、
それは、、、
河川が流れ込んでいるサーフ
これに尽きると思います。
過去の実績から見ても、河川のあるサーフでよく魚が釣れています。
有名なところだと『煙樹ヶ浜』『七里御浜』や『富田サーフ』など。
ただあまり細い川より、ある程度の水量のある川が流れ込んでいるサーフの方がベイトが溜まりやすい傾向にあるように感じます。
今の時代、Googleマップの航空写真ですぐに、サーフの場所から川の規模まで確認する事ができます。
上記に挙げたサーフ以外にも、良さそうな川が流入しているサーフにいくと、思わぬ釣果に恵まれるかもしれませんよ?
釣れる時期
ではいつからいつまで狙えるのか?
結論から言うと
2月中旬〜4月末まで
その中でも特に3月が一番釣れる時期のように感じます。
前の章で様々なベイトがいると言いましたが、僕の考え方の基本となっているのは稚鮎の遡上シーズンです。
この稚鮎がいつから現れて、いつ頃までサーフに滞在し続けるのか。
それが2月中旬〜4月末なのです。(勿論サーフに刺し網などをして調査した訳ではありませんので、100%正しいという訳ではないですが、大体こんな感じだと思います。)
中南紀の季節の進行は思っているよりも早く、2月の中旬頃から稚鮎の遡上の話が聞こえてきます。
もうその時期の魚の胃袋を捌いているみると「稚鮎が入っていた」という事も。
そしてその稚鮎の遡上のピークが3月なのです。
それが4月まで続き。
5月に入ると、まだ少しいるかもしれませんが、ほぼほぼ見られなくなります。
ただ代わりに5月に入るとキスが動き出す時期ですので、ヒラメはキスを狙いそのままシーズン続行といった感じになります。
魚種を絞った攻略法
釣れる場所も分かった、時期も分かった、じゃあ後は攻略法になりますが、
これが一番難しい!
先ほど「時期は稚鮎の遡上がベース」と言いました。そして春シーズンの時期はそれでほぼほぼ間違っていないと思います。
ただ捕食されているベイトは日によって違うように感じます。
稚鮎を食べている時もある、ハクを食べている時もある。
日によって様々なのです。
ではどうすれば良いのか?
解決策としては
魚種を絞って狙う事!
釣っていて分かったのですが、
ハマチならハマチがよく食べているベイト
サゴシならサゴシのベイト
ヒラメならヒラメのベイトといった、
それぞれの好きなベイトがあると感じました。
なので釣りたい魚種を絞り、その魚な好きなベイトを意識したルアーを使う。
狙い方もその魚に特化させる。
これが釣果への一番の近道だと感じます。
ざっくりとそれぞれの好きなベイトを表してみました。(※あくまで主観です)
魚種別の好きなベイト
・ハマチ → 稚鮎・しらす・イワシ・ハク
・サゴシ → しらす・ハク
・シーバス → 稚鮎・イワシ・ハク
・ヒラメ → 稚鮎・イワシ
・マゴチ → 稚鮎・イワシ
では、それぞれの好きなベイトが分かったところで、魚種を絞った攻略法を解説していきます。
ハマチ(ブリ属)
ハマチは『稚鮎』から『しらす』といった感じに、わりと何でも食べるといった印象です。
『稚鮎』や『イワシ』を捕食している場合、シーバス用のミノーからメタルジグまで、大体のルアーに反応するのでそれほど難しくはありません。
問題は『しらす』や『ハク』といったマイクロベイトを捕食している時です。
春のシーズン、「目の前で大きなナブラが起こっているにも関わらず、何を投げても喰ってこない」という状況に出会す事がありますが、理由は大体これです。
捕食しているベイトが小さすぎるのです。
ではルアー小さくすればいいのかと言えば、半分正解で半分不正解です。
確かにルアーをマイクロベイトサイズまで小さくできれば捕食してくる可能性はありますが、そうなると飛距離が出ません。
青物は波打ち際で喰ってくる事も多いですが、魚が十分に捕食できるだけの距離を飛ばす事は難しいと思います。
ではどうするか?
前置きが長くなりましたが、一番の有効策は
ポッパーを使う!
ハマチというのは何故か、水面を動くものにめっぽう弱いのです。
そして元々ハマチに対して有効なポッパーなのですが、
マイクロベイトパターンの時にこれは使うもう一つの理由があり、それは、、、
シルエットを誤魔化す事ができるから!
水面をバシャバシャ動き、泡をまとっているものは、魚から見たらシルエットがぼやけて見えます。(実際に魚に聞いた訳ではありませんが...笑")
ミノーやメタルジグといった水面下を泳ぐものは、魚はそのシルエットの大きさを認識して食べているのに対し、
ポッパーが動く様は、マイクロベイトが水面を逃げ惑っているように見えているそうです。
何となく、「ポッパーは磯や防波堤で使うもの」というイメージを持ってしまいがちですが、
サーフでも非常に有効なんです。
どうしても『ハマチ』が釣りたい方はサーフでポッパーを使う事を強くお勧めします!
(※ベイトがイワシや稚鮎の時はメタルジグなどでも釣れますので、ローテーションで使うのがお勧めです)
ちなみに...
マイクロベイトのサイズにルアーを合わせる究極系として、アジング用のワームを飛ばし浮きで飛ばして釣るという方法も存在します。
実際にこれで釣果は上がっているので、変わった狙い方が好きな方は一度試してみてはどうでしょう?
サゴシ(サワラ)
春のサーフで一番目にするのがこの魚です。
水面をイルカのようにピョンピョンと飛び、何かを捕食している様をよく見ます。
では何を捕食しているかと言えば、上記に挙げた『しらす』や『ハク』です。
これは七里御浜で上げたサゴシの胃袋から出てきたベイトです。
ほぼ消化されて骨だけになっていますが、とても小さなベイトを捕食している事が分かると思います。
大きさはおよそ2〜3cmぐらいです。
そしてこれは同じサーフに打ち上げられていたベイトです。
大きさが一致します。
これが『ハク』という魚。実はボラの幼魚です。
胃袋から出てきた魚はこの『ハク』だと思ってます。
それと『しらす』も出てきましたが、キレイにしようと水を流したら、流されていってしまいました...(笑)
これらマイクロベイトの対策として先ほどは『ポッパー』の使用をオススメしましたが、サゴシは何故かあまり喰い付いてくれません。
理由はわかりませんが、サゴシには動きが少しスロー過ぎるのかもしれませんね。
ではサゴシを狙う解決法として、一番実績を上げているのが、
ブレード系ルアーを使う事!
ブレード系ルアーとは、
こんな感じにスプーンのようなギラギラが付いているルアーのこと。
これを使うと今まで全然反応しなかったサゴシが、突然口を使ってくれるようになったりします。
そしてブレード系ルアー使ってサゴシを狙う際、1つポイントがあります。
それは、、、早巻きをすること!
何故だかサゴシは動きの速いものが好きなのです。
ですので動かす際はなるべく早く巻くこと。
・ブレード系ルアー
・早巻き
この2点を留意していれば、サゴシとの距離がグッと縮まるはず。
ちなみに...
このブレードにはいくつか種類があり、上の写真は『ウィローリーフ』と呼ばれラグビーボールの様な形をしています。
そしてもう一つが胃袋から出てきたベイト写真の下にあるルアーに付いているもの。
これを『コロラド』タイプと言います。
どちらが良いのかまではまだ分かりませんが、個人的には『コロラド』タイプのものを愛用しています。
シーバス(マルスズキ・ヒラスズキ )
シーバスも割と何でも喰いです。
口が大きいので稚鮎やイワシといった、しっかりとした大きさのものが好きかと思っていたのですが、ハクといったマイクロベイトも捕食します。
そしてシーバスを釣る上で重要なのが『時間帯』。
ハマチやサゴシといった青物は、昼間でも突然喰ってきたりするのですが、
シーバスの場合、朝・夕のマズメ勝負になります。
波っ気があったり、雨が降って水が濁っていれば日が昇っても口を使う可能性はありますが、基本はマズメが勝負タイムだと思っておいて間違いありません。(※勿論夜も釣れます)
オススメのルアーは『バイブレーション』です。
使い方は簡単、投げて巻くだけ。
そしてシーバスを狙う際の注意点は、
波打ち際をしっかりと狙うこと!
シーバスは何か障害物に着き捕食する魚ですが、サーフの場合はその障害物がないので代わりに波打ち際に潜んでいる場合が多いです。
なのでシーバスを狙う場合、沖にキャストするのではなく、海岸線に対して並行にキャストします。
そうする事で波打ち際でより長くルアーをアピールさせ続けることができるのです。
フラットフィッシュ(ヒラメ・マゴチ)
ヒラメやマゴチといった『フラットフィッシュ』からはあまりマイクロベイトパターンで釣れたという話は聞きませんし、経験もありません。
想像もし易いように、底でじっとしている魚が、2~3cmの小魚をために、わざわざ重たい身体を動かすのは想像しにくいです。
大抵は『稚鮎』や『イワシ』といった、ある程度の質量のあるものがベイトとなるようです。
そしてこれらフラットフィッシュを狙う際、有効なのがワームです。
ワームを使う利点は二つあり、
・ボトム付近をしっかりアピールできること
・喰わせる力が強いこと
この二つです。
マゴチやヒラメは泳ぎ回って捕食する魚ではないので、シーバスと同じように物陰に潜んで効率良く捕食活動を行います。
ですのでヒットは比較的、波打ち際付近で起こります。
そしてフラットフィッシュと呼ばれている通り、基本は底にいますので、底付近をしっかりと探れるルアーが必要となり、それがワームなのです。
勿論ミノーやメタルジグでも底付近は探れます。
しかし中南紀のサーフは急深のサーフが多く、このようなサーフの波打ち際付近はルアーを押し上げる力が強く、想像以上にミノーは浮き上がりすぎてしまう傾向にあり、メタルジグは基本的に手前を探るのには向いていません。
ですのでワームが有利となってくるのです。
そしてワーム最大の利点が『喰わせ力の高さ』です。
ワームはミノーやメタルジグよりも柔らかく、より本物のベイトに近いルアーなので、魚が口を使ってくれやすくなります。
実はワームは飛距離が出ないというデメリットを抱えているのですが、フラットフィッシュ狙いの場合前述したように飛距離を出す必要はありません。
ですのでこの問題は解決し、利点だけが残ると考えています。
↓の動画は熊野川河口で春にワームでヒラメを連続ヒットさせた時のものです。
日が昇りきった時間にも関わらず、良型がヒットしました。(ヒラメは意外と日が昇ってからも釣れるんですね)
肝心のアクションですが、
1、ジグヘッドを付けたワームを底まで落とす。
2、ロッドを少し立てて、一定のスピードでただ巻き
これだけです。
これだけですが『巻きスピード』が重要で、遅過ぎると底付近をズルズルしてしまい、(それでもマゴチは釣れますが(笑))
早過ぎると浮き上がり過ぎてしまい、魚が反応してくれなくなります。
ですので、遅過ぎず早過ぎず。
こればかりは実践して、感覚を掴んでもらう他ありませんね(笑)
イメージとしては底から50cm〜1m上を巻いてくる感じです。
【ジグヘッドのセッティング】
ジグヘッドのセッティングですが、まず重さは『14gを基本』として18gもあると、流れが強い場所にも対応できて便利です。
動画では付けていませんでしたが、フラットフィッシュは下から喰い上げてくるので下にもフックを付けておいた方が、よりキャッチ率は高くなります。
⬇︎に上の写真と動画で使用している『ジグヘッド』と『ワーム』のリンクを貼っておきますので、良ければ参考にしてください。
補足
動画ではリフト&フォールを行っていますが、釣れているのはただ巻きしている時です。(一発目はキャスト時のフォールですが...)
この時から考えが変わり、今はただ巻きが一番有効だと考えているので「ただ巻きするだけ」と前述しました。
ですがリフト&フォールもやはり有効です。織り交ぜながらやる事をオススメします。
特にワーム初心者のうちは適正な巻きスピードをまだ習得できていないので、リフト&フォールで確実に底をとる事で、しっかりとフラットフィッシュにワームをアピールできるので良いかもしれません。
参考までに...
おわりに
今まで何年も中南紀のサーフに通い、ようやく見えてきた事をまとめ、文にしてみました。
文章を分かりやすくするため、敢えて過度な説明は行わず簡略化して書いております。
上手な方がご覧になると、もしかしたら説明不足と感じる部分があるかもしれませんが、あしからず...。
ちなみにですが、サゴシの文章の中では敢えて説明しなかったのですが、ブレードが何故マイクロベイトパターンに有効かと言いますと、
どうやら『ブレードの波動で寄せている』みたいです。
それかブレード自体大きさがマイクロベイトに似ていて、更にギラギラとしている為思わず口を使ってくるのかもしれません。
何にせよブレードがサゴシに非常に有効なのは間違いありません。
個人的にサーフで何か一つだけルアーを投げるとしたら、僕はブレード系ルアーを投げます。(『メタルマル』か『ジグパラサーフ』か悩ましいところですが(笑))
最近はブレード系のアイテムがたくさん出ております。
それぐらいブレードというのは効果的なものなんですね。
3月4月の中南紀サーフは本当に激アツなので、皆さんも是非時間が許す限り通ってみてください!(ちなみにサーフだけでなく周辺の漁港を激アツです。その記事はまた後日書きます)
ではっ!
よく一緒に読まれている記事